(a)
\(X\) を r.e. かつ nonrecursive な集合とする.\(X\) は r.e. であり \(T\) は \(\Sigma_1\)-sound なので,Corollary 1.4 より \({\sf Q}\) において \(X\) を numerate する \(\Sigma_1\) 論理式 \(\tau(x)\) が存在する. \(k \notin X\) となる全ての
\(k \in \mathbb{N}\) について \(T \vdash \neg \tau(k)\) であると仮定すると,\(\tau(x)\) は \(T\) で \(X\) を binumerate することとなり,\(X\) は recursive となってしまうためおかしい. したがってある \(k \in \mathbb{N}\) について \(k \notin X\) かつ
\(T \nvdash \neg \tau(k)\) である.
\(\tau(k)\) が true であるとすると,\(\tau(k)\) は \(\Sigma_1\) 文なので \(T \vdash \tau(k)\) となり,\(\tau\) は \(T\) で \(X\) を numerate するので \(k \in X\) となりおかしい. したがって \(\tau(k)\) は \(T\) で証明できない true な \(\Pi_1\) 文である.
(b)
論理式 \(\tau(x)\) が \(T\) において \(X\) を binumerate すると仮定する.
を満たす文 \(\varphi\) をとれば,\(\varphi \in X\) もしくは \(\varphi \notin X\) のいずれかである.
したがっていずれの場合も矛盾するため,そのような論理式 \(\tau(x)\) は存在しない.
\({\rm Th}(T) \subseteq Y\) かつ \({\rm Ref}(T) \cap Y = \phi\) となる recursive な集合 \(Y\) が存在すると仮定すると,\(Y\) は \({\sf Q}\) においてある論理式によって binumerate される.よって \(Y\) は \(T\) においてある論理式によって binumerate されるが,これは上記のことに反する.したがって \({\rm Th}(T)\) と \({\rm Ref}(T)\) は recursively inseparable である.
Chapter 3 の Theorem 1 を用いれば,(a) の仮定 "\(T\) は \(\Sigma_1\)-sound" を "\(T\) は無矛盾" に落とすことができる.