2.3

(a)

  • \(k \in X_0\) とする.\(\rho_0\) のとり方より,ある \(m\) が存在して \({\sf Q} \vdash \rho_0(k,m)\).一方 \(X_0\) と \(X_1\) は disjoint なので \(k \notin X_1\) である.したがって \(\rho_1\) のとり方より,任意の \(n\) について \({\sf Q} \nvdash \rho_1(k,n)\).\(\rho_1\) は PR 論理式なので \({\sf Q} \vdash \forall z \leq m \neg \rho_1(k,z)\) となるため \({\sf Q} \vdash \xi(k)\) である.
  • \(k \in X_1\) とする. 先ほどと同様に,ある \(m\) について \({\sf Q} \vdash \rho_1(k,m)\) かつ \({\sf Q} \vdash \forall y < m \neg \rho_0(k,y)\). つまり \({\sf Q} \vdash \forall y(m \leq y \rightarrow \exists z \leq y \rho_1(k,z))\) かつ \({\sf Q} \vdash \forall y(\rho_0(k,y) \rightarrow m \leq y)\). したがって \({\sf Q} \vdash \neg \xi(k)\) となる.

(b)
\(X_0\), \(X_1\) を recursively inseparable な r.e. 集合とすると,\(X_0\) と \(X_1\) に対して (a) の条件を満たす \(\Sigma_1\) 論理式 \(\xi(x)\) がとれる.

  • \(Y_0 = \{k : T \vdash \xi(k)\}\)
  • \(Y_1 = \{k : T \vdash \neg \xi(k)\}\)

とすると \(Y_0\) と \(Y_1\) は \(X_0 \subseteq Y_0\), \(X_1 \subseteq Y_1\), \(Y_0 \cap Y_1 = \emptyset\) を満たす r.e. 集合である.

いま \(Y_0 \cup Y_1 = \omega\) と仮定すると,\(Y_0 \cap Y_1 = \emptyset\) なので \(Y_0 = \omega \setminus Y_1\) であり \(Y_0\) は recursive となる. \(X_0 \subseteq Y_0\) かつ \(X_1 \cap Y_0 = \emptyset\) なので \(X_0\), \(X_1\) の recursively inseparability に反する. したがって \(Y_0 \cup Y_1 \neq \omega\) である.

\(k \notin Y_0 \cup Y_1\) をとれば \(T \nvdash \xi(k)\) かつ \(T \nvdash \neg \xi(k)\) である. また \(\xi(k)\) が true とすると \(\xi(k)\) は \(\Sigma_1\) なので \(T \vdash \xi(k)\) となるためおかしい. 以上より \(\neg \xi(k)\) は \(T\) において undecidable かつ true な \(\Pi_1\) 文である.


(c)

  • \(X_0 = \{\varphi \in \Pi_1 : T \vdash \varphi\}\)
  • \(X_1 = \{\varphi \in \Sigma_1 : T \vdash \varphi\}\)

とする.

  • \(X_0\) が recursive であると仮定すると,Corollary 1.3(a) より \(X_0\) を \(T\) において binumerate する \(\Sigma_1\) 論理式 \(\xi(x)\) が存在する. いま \(\Pi_1\) 文 \(\pi\) を
    \({\sf Q} \vdash \pi \leftrightarrow \neg \xi(\pi)\)
    となるようにとると
    \(\pi \in X_0 \iff T \vdash \pi \iff T \vdash \neg \xi(\pi) \iff \pi \notin X_0\)
    となるため矛盾する. よって \(X_0\) は recursive でない.
  • \(X_1\) が recursive であると仮定すると,\(X_1\) を \(T\) において binumerate する \(\Pi_1\) 論理式がとれるため,同様に矛盾する. よって \(X_1\) は recursive ではない.